2020年10月、住ムフムラボでは、Instagramを中心に多くの年齢層の支持を得ている相武えつ子さんをお迎えし、トークセッションを開催。家族との普段の暮らしを大切に残す“写真”という行為を通して、日々の暮らしや家族のこと、また写真を始めたきっかけや、家族の日常を自然に撮影するコツなどもお伺いしました。その模様をダイジェスト動画と、イベントの書き起こし記事でお届けします。
カメラを始めたきっかけ
ー本日のゲストをご紹介いたします。2児の母であり、フォトグラファー相武えつ子さんです。

相武さん
よろしくお願いします。
ー早速ですが、フォトグラファーになったきっかけは何ですか?

相武さん
結婚した時に、仕事を辞めて、引っ越しもして、見ず知らずの土地で生活を始めました。その際に夫の勧めもあって、カメラを趣味にしました。
子どもが生まれてからは、被写体が子どもだけになりましたね。毎日、成長が全然違うんです。
子どもの足の写真
子どもが手を伸ばしている写真

相武さん
成長するその姿がすごく可愛くて…人間って成長した時のことを結構忘れてしまうじゃないですか。私は、育児日記とかも全然続かなかったので、写真で残したら楽しめるかなと思って、子どもたちの日々を写真に撮り始めました。
ーお子さんが産まれる前は、どんな写真を撮っていたんですか?

相武さん
季節の植物を撮っていました。写真を撮ることで「こういう季節は、空が綺麗だな」とか、四季の変化も楽しめるようになりましたね。
今では、私が写真を撮っていると、子どもたちも一緒に撮ってくれたりしますよ。四季の変化を、子どもたちと共有したり出来るのも楽しいですよね。
紫陽花と一緒に映っている子どもの写真
ーお子さんも写真を撮られているのですか?

相武さん
子どもは、二人とも写真をやっていますよ。小さいカメラを持って、「私も撮る!」って言ってくれるんです。あとで見たら、私が一生懸命に写真を撮ってる顔とか、私が変な顔をしている時ばっかりなんですけどね(笑)
それでも楽しんでくれてるのが嬉しいなと思って。写真が結果じゃなくて、楽しい時間を共有できる良いツールになっていると思います。
ーカメラを持って、一緒にお出かけしたりできると楽しそうですね!

相武さん
そうなんですよ。私だけの趣味じゃなくて、みんなが楽しんでくれていることが嬉しいですね。
子どもを撮影する時のコツ
ー自然な日常風景や、暮らしのシーンを撮影するコツはありますか?

相武さん
「自然」というのは、すごく難しいですね。
変な顔をしてみたり、ピースしてみたりするのも自然なこと。なので、自然に撮りたいからといって、子どもに対して「そうじゃない!」と強制してはいけないと思うんですよね。撮れた写真に対して「いいね、いいね」と思うようにしています。
あえて声をかけないで撮ることもありますが、子どもたちと喋りながら撮ることも心がけていますね。
ー例えば、どういう風に声をかけられるんですか?

相武さん
「それ、可愛いね!」や「いいね、かっこいいね!」とかですかね。
あとは「この後、ご飯はどこに食べに行きたい?」とか…本当に他愛ない会話をしていますね。
私が残したい写真は、ただ笑顔の写真ばかりじゃなくて、親にしか見せないような素の表情の写真なんです。だから素の表情を引き出すために喋ったりしていますね。
パーティー用のお面を被る子どもの写真
私とお話している時の写真

相武さん
次の写真は、遊びながら撮りました。
私の膝の上に子どもが顔を乗せて、飛行機のように持ち上げたかったんですけど、娘も大きいので、「持ち上がらないよ〜!」って言いながら撮った時の顔ですね。
ー親だからこそ撮れる写真があるわけですね。

相武さん
あると思いますね。
次の写真は、子どもたちが寝室に遊びに行くと言うので、私もカメラを持ってついていった時に撮りました。私がカメラを持っているから、あえてふざけていると思うんですけど…(笑)
寝室で遊んでいる時の写真

相武さん
親だからわかる子どもの行動パターンってあると思うんです。「ご飯を食べている時には、こういう顔する」とか。親にしか残せない写真を撮りたいですね。
子どもとの写真の楽しみ方
ー写真の残し方や自宅での飾り方は、どんな工夫をしていますか?

相武さん
写真は、定期的にプリントして出すこともありますよ。
次の写真は、チェキで撮った写真なんですけど、余白に子どもたちが自由にお絵かきしたりしてくれました。
チェキのインスタントカメラで撮った写真
ーすごく可愛いですね!この写真には、何が描かれているんですか?

相武さん
「すき」と描かれています。
この写真は、何才の時だったか忘れましたが、その時の成長記録なんですよね。だから、写真にお絵かきしてくれたことがすごく嬉しくて、沢山描いてほしい、とお願いしました。
上の子は、自分の写真にヒゲを描いたり、シールを貼ったりして楽しんでいましたね。
ーそれは、写真の楽しみ方が広がりますね!
お絵かきされているチェキの写真
ーお部屋には、どのように写真を飾っていますか?

相武さん
部屋には、写真のポストカードを吊るしたり、大きいパネルにして飾ったりしています。
あとは、フォトブックにしたものを子どもたちが手が届くところに置いたりしていますね。
フォトブックを見ている子どもたちの写真

相武さん
今年は、コロナ禍でお花見ができなかったので、今まで撮った桜の写真でフォトブックを作ってみました。
桜の写真のフォトブック

相武さん
フォトブックを部屋に置いておくと、コミュニケーションツールになるんですよ。
スマホやパソコンに写真を残すだけでなく、子どもたちの手に届くところにフォトブックを置いたりすることで「私の写真」ではなく「家族の写真」になっていると思います。
ー作ったフォトブックは、どのように飾っているのですか?

相武さん
フォトブックは、絵本みたいに置いていますよ。
子どもたちだけでなく、親戚で集まった時に見せたり、プライベートなものとして一冊にまとめていますね。
ー写真を絵本のように見ることができると、また違った喜びがありそうですよね。

相武さん
データとはやっぱり違うというか…フォトブックをツールにしてゲラゲラ笑ったり、「こんな事があったね」って言い合えるのも、形があるからこそ出来ると思いますね。
相武さんのこだわり空間
ーお家の中では、こだわっている空間や気に入っている場所などありますか?

相武さん
自宅の一階は、トイレ、洗面、お風呂、収納スペース以外は、全部一室なんですよ。
その一室にリビングやダイニング、キッチンがあって、その広間で何でもできる空間にしています。
誰かがテレビを見ていたり、誰かが別の場所で工作をしている。私は、その光景を見ながら料理をしたり出来るので、その広間がすごく気に入ってます。
自宅で撮れた子どもたちの写真

相武さん
あと寝室ですね。特に秋冬は、とても良い光が入るんですよね。
寝室って、子どもたちがリラックスできる空間なんです。例えば、起きたばかりの顔が見れたり、子どもたちだけで遊んでる姿が見れたりします。
寝室で撮れた子どもの写真
ベッドにジャンプして飛び込んでいる写真

相武さん
次の写真は、子どもたちが枕投げをして遊んでいる写真。二人で枕投げって、お互いに枕を投げ合うのかなと思ったので、「危ないから、天井に向かって枕投げてみな。」って言ったんです。
そしたら、なんか可愛く撮れました(笑)
枕投げをする子どもたちの写真
ー寝室での写真が多いんですね!

相武さん
多いですね。子ども部屋もあるんですけど、寝室ってゴロゴロしたりできるし、子どもたちにとっては「秘密基地」みたいですね。
ー素の表情って、とっても可愛いですね。

相武さん
いい顔が撮れた時は「ラッキー!」「よっしゃ!」って思いますよ(笑)
ーお気に入りの空間を保つために、工夫していることはありますか?

相武さん
散らかってしまった時は、「もう、お母さんだけじゃ掃除できないよ!」と言って、家族全員に手伝ってもらうことをお願いしてます。
相武さんにとって「幸せな暮らし」とは
ー相武さんにとって「幸せな暮らし」って何ですか?

相武さん
私は、お母さんなので、家族全員が幸せであることが一番の幸せだと思いますね。
写真は、写っている子どもの視線、眼差しだけじゃなく、撮影している人の眼差しも残ってるんです。
私自身、父親に撮ってもらった写真を見返すと、小さい頃を思い出すことができて、それを見て「私は幸せに育ったんだな。」とか「こんなに撮ってもらえて嬉しいな。」と感じたんです。
将来、子どもたちが「お母さん、こんなに写真を撮ってくれたんや、幸せやったな。」とかは思わなくても全然いいんですけど…その写真をきっかけにして「お母さん、こんな変なことしてる!」とか「これは、何してるんだろう?」って色々なことを思い出せるツールになればいいなと思います。
写真の中の子どもたちの眼差しも、私がお婆ちゃんになった時に嬉しい写真になるし、自分にとっての幸せに繋がると思っています。そういうことを思いながら、写真を撮っていますね。
ー今日のお話がこれからの暮らしのこと、それからライフスタイルについて考えるきっかけになってくれると大変嬉しいですね。本日はありがとうございました。
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相武えつ子
二児の母、フォトグラファー
愛知県在住、姉妹の母。
Instagramでは7万人以上のフォロワーを持ち、多くの年齢層の支持を得ている。
自身の家族をテーマに日常や旅行の写真を撮り続ける。
日常写真は企業やコラムへ寄稿。国内外のホテルからのオファーを受け旅行写真を撮影。
2015 シグマフォトコンテスト優秀賞受賞
2019 CURBON写真展 THE STORY参加
2019 写真展あいもかわらず開催
CURBON講師として活躍中。canon主催ワークショップ講師、canon主催トークショー登壇。canon eoskissx10iカタログ撮影。愛知県在住、姉妹の母。
Instagramでは7万人以上のフォロワーを持ち、多くの年齢層の支持を得ている。
自身の家族をテーマに日常や旅行の写真を撮り続ける。
日常写真は企業やコラムへ寄稿。国内外のホテルからのオファーを受け旅行写真を撮影。
2015 シグマフォトコンテスト優秀賞受賞
2019 CURBON写真展 THE STORY参加
2019 写真展あいもかわらず開催
CURBON講師として活躍中。canon主催ワークショップ講師、canon主催トークショー登壇。canon eoskissx10iカタログ撮影。